アートワーク:大河紀、杉野ギーノス、ボブa.k.aえんちゃん
編集:野村由芽(me and you)
「世界の底知れない魅力を自分自身のからだで感じとるために」。TXAでは、触れること・触れられることや、性愛の形を、さまざまなアーティストとのコラボを通して多面的に表現してきました。
それぞれの心やからだのままで、性愛の喜びや不思議さに出会うというのは簡単なことではないかもしれませんが、少しでもそんな日々に近づけるようにと願いを込めて。今回は大河紀さん、杉野ギーノスさん、ボブa.k.aえんちゃんさんに依頼し、普段描いているキャラクターたちがTXAとのコラボアイテムを身にまとっている様子を、アートワークで表現してもらいました。3人の作品づくりの背景や、アーティストとして/生活する一人の人間として、性愛とどう向き合っているかに対するコメントとあわせて、お楽しみください。
大河紀「性愛とは、お互いがハッピーになること。色んな形の正解があること」

普段、どんなアートワークを描いていますか?
有機的なものと無機的なものを組み合わせたモチーフを描きながら、生と死が切り離せない関係にあることを表現しています。その中で、人間が持つ可能性や美しさについて改めて考えています。浮世絵の快楽主義に影響を受けつつ、人生がいつ終わるか分からないからこそ、今この瞬間を大切に楽しむことの意味を、現代版の新しい浮世絵として表現しています。
TXAとのコラボアイテムでは、性愛をどのように捉え、表現しましたか?
性愛とは、お互いがハッピーになること。色んな形の正解があること。そこに辿り着くために、あまり重苦しく考えすぎず、もっと軽やかに言葉にして話し合い、色んな形に自分が変わり、自分達の形を一緒に探すことである。と考え表現しました。
大河紀 Jacquard Cotton Sweater
TXAとのコラボアイテムを自分のキャラクターが着ている姿を描いてみて、いかがでしたか?
絵と実在するアイテムの写真を組み合わせることで、異なる次元の要素を融合させました。現実と非現実が交わるように、私の性愛テーマでも表現したようなイメージで、ふたつの重なり合いを意識しました。
性愛にまつわることで、どんな社会になれば、より生きやすいと感じますか。
パートナー同士だからこそ深められる性愛。考えを言葉で伝える勇気、それをよく聞いてよく噛み砕き、歩み寄る意識を持つことができたらどんなに良いでしょう。性愛のためには、まずはお互いが心を裸にすることが大事だなと思います。
岡山県出身、東京都在住。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒。
浮世絵の快楽主義というテーマから受けた影響が表れており、人生の予測不能な終わりを踏まえ、各瞬間を享受することの重要性を、現代における新たな形態の浮世絵として表現している。国内外で精力的に作品を発表する一方で、広告ビジュアルやアパレルなど、幅広い分野でアートワークを手がけ、独自の世界観を新たな形で表現している。
杉野ギーノス「自分は自分以外の全てから構成されていると考えている」

普段、どんなアートワークを描いていますか?
オイルパステルという油分の強いクレヨンを使って絵を描いています。
TXAとのコラボアイテムでは、性愛をどのように捉え、表現しましたか?
各作家がTXAとコラボした製品を誰かが生活において身につける。性愛をテーマとしているTXAが身近にある。それ自体に意味を感じたので、あえて僕自身が性愛というテーマにフォーカスしすぎないというか、あまり意識しないように努めました。デザイン自体は自身の作品で時々用いる、紫色・黄緑色・紺色の3色で構成したストライプをそのまま柄として落とし込みました。
杉野ギーノス Bold striped Sweater
TXAとのコラボアイテムを自分のキャラクターが着ている姿を描いてみて、いかがでしたか?
普段描いている絵の制作と特に変わらず描きました。紫色・黄緑色・紺色の3色ストライプは、僕の絵で度々使う組み合わせです。なので全く違和感がないというか、むしろいつも通りの作品の延長として無理なく自然に描けました。この無理なく自然にということが、TXAを象徴する上で、なにか大切なことなのではないかという気がしています。
普段、自分らしさと性について、何か考えていることはありますか。
よく見かける「自分らしさ」「自分らしく」といった漠然としたフレーズに困惑することがあります。自分は自分以外の全てから構成されていると考えています。「自分らしく」と積極的に意識することや、させられることに、なんだか急かされているような気がしてどこか違和感があるのです。生きていると様々な物やことが自分の中に入ってきます。心地いい感覚もそうでない感覚もありますが、何を残して何を捨てるかの自由はあります。その取捨選択で自然と残ったものが今の自分を構成している気がします。
一旦口の中に入れてみるという工程をすっ飛ばして出力しようとすると、実は出すものなんて無かった、なんてことになりそうで、そういう意味において「自分らしく」を安易に使いすぎることは改めて危険でもあるなと。これは自身の課題でもあるのですが、自分が選択の過程で捨てたものも、誰かにとっては心地の良いものかもしれない。と常に意識することができれば、性を含めあらゆることで、より人との付き合いや考え方が豊かになる気がしています。
クレヨンで絵を描くアーティスト。
個展「GIINOS」「GUEST ROOM」「SUPER MAT」ほか展示活動を中心として活動。
ボブa.k.aえんちゃん「多様な生き方が認められ、他者からの偏見や否定を受けずに選択できる社会に」

普段、どんなアートワークを描いていますか?
80’sを彷彿とさせるキュートでエネルギッシュな女の子達を意識したイラストを主に描いています。懐かしさと新しさが混在する表現を大切にしています。
TXAとのコラボアイテムでは、性愛をどのように捉え、表現しましたか?
TENGAさんの「性を表通りに」というビジョンのもと、あえて性を感じさせずオープンにTENGAを表現することを意識しました。バズーカには性に対する固定観念をぶち壊す、という意味合いもあるとかないとか……。
ボブa.k.aえんちゃん 半袖Tシャツ アプリコット
TXAとのコラボアイテムを自分のキャラクターが着ている姿を描いてみて、いかがでしたか?
自分の作品を自分の作品で表現することが面白いと感じました。TENGA Tシャツを堂々と着ている子はお洒落だと思います。
性愛にまつわることで、どんな社会になれば、より生きやすいと感じますか。
性愛のあり方や価値観は人それぞれであり、全ての人に理解を求めることは難しい問題ですが、多様な生き方が認められ、他者からの偏見や否定を受けずに選択できる社会になっていければよいなと思います。
とはいえ性犯罪も多い事実があり、幼少期から性愛についての正しい知識や性教育が提供されることも重要ですし、これにより少しでも誤解や偏見を減らし、自分や他者の尊厳を守れるようにもなればと願っています。
レトロでキュートなイラストを中心に、グッズ、CDジャケット、雑誌、キャラクターデザイン、似顔絵にテレビドラマのアイキャッチまで幅広く活動。過去にはLOWRYS FARMとのコラボグッズや渋谷ヒカリエShinQsの広告イラストも手がけた。LINEスタンプシリーズも好評販売中。