前田豆コ
PROFILE
1993年東京都出身。2020年からイラストレーター・アーティストとして活動を始める。幼少の頃から習っていたダンスの影響で身体を使った表現に関心を持ち、身体の伸縮によって生まれる張りやシワの美しさに着目したふくよかな体型の人物を描いている。開放的なキャラクターたちがユーモラスに描かれる作品に海外からのオファーも急増。韓国でのアートフェア出展が決定するなど、その活躍を世界へと広げている。
2023年の主な展示:
My Imaginary Shapes(個展, Lurf MUSEUM, 東京)
MADE IN JAPAN(13A New Street Art Gallery, 香港)
REFRACTIONS(HELLO GALLERY TOKYO, 東京)
INTERVIEW
1.作品のコンセプトやこだわりを教えてください。
私は「性愛」という言葉について考えた時に、非常に曖昧な表現だと感じました。みんながぼんやり浮かぶ言葉の意味のイメージはあっても、それぞれ細かい解釈は違うかもしれない。むしろ「性」と「愛」は全く別物だと捉える事もできます。両者は混じり合う事もあれば、相反する事もある。その曖昧さがこの言葉の面白い部分でもあると思いました。その考えを元に陰陽太極図を用いて、性と愛の二つの面を図案にしています。
2.性愛に関するトピックのなかで、いま関心があることを教えてください。
人は、誰かを愛し愛されたいという欲求を根本的に持ってると思います。もちろんそれは恋人に限らず、家族や友達、または音楽や絵などの表現に対してなど、あらゆる物事を対象に生まれうる、極めて私的な感情だと解釈しています。それに対して性は非常に社会的な性質を持っていて、誰もが持っているはずの本質的な「愛」を見えなくさせる事もある。それは今回「性愛」という言葉に触れて改めて考えることになったテーマでした。これからの私の制作においても、このことについてより解像度を高めて表現に落とし込んでいきたいと思っています。